娘と一緒に「シーナと一平」に宿泊した話。
はじめてのふたり旅。
2016年3月にOPENした宿「シーナと一平」に泊まってきた。4歳の娘とはじめてのふたり旅。平日は娘に接する時間が圧倒的に少ないので、とても良い経験になった。忘れないように記しておこうと思う。
駄菓子屋ではじめてのお買い物をして、お散歩&神社をお参り。銭湯で瓶の牛乳を飲み、風呂あがりに呑み屋に立ち寄る。盛りだくさんの1泊2日だった。近所なので移動時間のロスがないのも良かった。娘と一緒に過ごす時間に充てることができたから。
目的地「シーナと一平」の場所は、西武池袋線・椎名町駅の近く。家からバスで30分くらいの距離。夜中にグズったり何かが起こってもすぐに帰られる安心感は、子育てに自信のない父親にはありがたい。
娘もお出かけを楽しみにしていた様子で当日の朝はノリノリで出発した。
バスに乗り「目白五丁目」のバス停へ向かう。降りると直ぐに「カネモ・トイホビー」があった。
mejirodoori-akinainokai.akikusa.jp
「カネモ・トイホビー」は、おもちゃ屋さんだけど入口ちかくに駄菓子を置いている。娘にはじめてのお買い物をさせたかったのだが、あっさりと候補のお店が見つかった。これはツイてる。
家を出る時、娘のポシェットに300円を入れていた。自分で買いたいものを選んでカゴに入れてもらう。もちろん金額の計算はできないけど、どれにしようか迷ってる姿は良いものだ。
大きな駄菓子を手に「パパとはんぶんこして食べたい」と。言葉に娘の成長を感じた。うれしい。そんな事を言うなら、もう一個買ってあげたいくらいだ。
ちゃんとお買い物ができました。
カネモさん、70円だけの買い物ですいません。もう一個買っても100円でした。
10分ほど歩いて「シーナと一平」へ。元はとんかつ屋だが、リノベーションされ旅館になったそう。看板はとんかつ屋のまま。
引き戸を開けると、カフェスペース。
昼はカフェとして運営しているようで、小上がりでは数組のお客さんが寛いでいた。プレオープンの期間だったので今後の展開が楽しみ。
チェックインを済ませて、荷物を置きに部屋へ移動。2Fに案内される。
こちらが「葵」の部屋。窓からは商店街を歩く人たちがよく見える。
駄菓子を食べたり荷物を整理して銭湯の開店時間を待つ。
待っている間にお絵かきをした。
イモムシのように見えるのは海老らしい。
宿の内部も撮影してみた。
型板ガラスとランプが良い感じの洗面台まわり。
鏡は大きめ、シンクは小さめ。
トイレはキレイ。床や壁など、各所にDIYの形跡が見えて愛着がわく。
壁に手書きの椎名町マップが貼ってあり、宿が勧める近隣のお店が載っていた。
階段はナカナカ鋭い角度。
家に階段がないので、娘にはちょっとしたアトラクションのようだった。後から酔った大人にはキケンな傾斜だと気づいた。
シャワールームは、銭湯に行ったので使わなかった。
新設されているので清潔感がある。でも、やっぱり銭湯に行くでしょ。
ということで、散歩がてら銭湯へ。
途中で「羽黒神社」にお参りをした。こんな所にあるとは知らなかった。
※山形の出羽三山トレッキングはオススメです。
開店と同時に脱衣室に駆け込む。まわりは年配の方だらけ。娘は脱衣室でも洗い場でも話しかけられ、照れながらも受け応えをしていた。
バイブラバスの泡に触れないように湯船の中を移動したり、泡をつかんだりして一緒に遊んだ。みんなが優しい気持ちになれる銭湯は正義。
風呂あがり。
娘はいちご牛乳、ぼくは缶チューハイを仲良く飲んだ。
しばしの休憩。
髪を乾かしそびれたので、頭にタオルを巻いた。問題の解決になっているかは分からない。
さて、次なる目的地へ。
ポールをジグザグにかわして走る。
一旦、荷物を置きに宿に戻った後で「やきとん やまちゃん」に向かう。
宿が商店街にあるので、ちょっと荷物を置いたりするのにも便利だ。
「やまちゃん」は厨房に沿ってL字のカウンターがあるイカしたお店。安くて美味しい。食レポはしないが、呑んべえが満足できる味。
そして何よりも、こどもを連れて行っても変な顔をされないのが嬉しかった。カウンターの端に案内されたのだけど、タバコの煙を考慮したのだろう。入口近くには父娘のペアがもう1組いた。
あまり長居はできないので、程よいタイミングで宿に戻る。
帰ってからはスタッフの方々にとても良くしてもらった。娘もよく遊んでもらった。遊び疲れて小上がりで寝てしまうほど、全力で楽しんでいた。
少しグズった場面もあったけど、娘の成長を感じた1日だった。娘と一緒にやってみたい事を形にできた気がする。ちょっと連れ出すだけで、こんなにも活発な姿を見られるんだな。もっとちゃんと写真を撮っとけばよかった。
ほろ酔いで22時くらいには部屋に戻って眠りについた。階段が急なので気をつけよう。
翌朝は鳥の鳴き声で目覚めた。朝を感じる。窓から見える小鳥に娘も嬉しそう。
娘と一緒に散歩に出る。コンビニで飲み物を買い、宿と同じ並びの「マザー エイラク」でパンを買う。ぼくは焼きそばパン、娘はメロンパン。
宿で一緒に食べる。娘はメロンパンの表面の甘い部分だけを毟り取る。そして、口へ入れる。メロンパンがほんの数分で気持ち悪い物体になった。朝は静かに過ぎていった。
昼から予定があるので早めにチェックアウトをした。商店街に人は多く活気があった。娘と一緒だとよく話しかけられる。街全体の間合いが近い。バス停に向かう途中にあった公園で滑り台を一緒に滑った。公園で遊ぶ姿はよく見ている。いつもと変わらない。
日曜はまだ始まったばかり。特別な土曜は終わったが、いつもの週末はちゃんと残っているような気がした。まだまだ時間はたっぷりある。
次は違う宿に娘を連れだそうと計画している。公園では見られない姿をもっと見たい。
バイクでヒッチハイカーを乗せた話。
とても嬉しいことがあったのでブログを立ち上げた。
情熱が覚める前に書き残そうと思う。
ぼくは都内に住んでいる。職場は渋谷。
多趣味な方だと思うけど、特にバイクは乗るのもいじるのも好き。
先日、珍しく静岡の三島で仕事があった。
現地での移動が困難なのでバイクで行くことにした。おおらかな会社に感謝。
仕事を終えて、柿田川湧水群に寄り道をして帰路についた。
柿田川湧水群。夕方は西日がきついので、訪れるなら朝が良いと思う。
2月の東名高速はバイクでは厳しい寒さだった。
給油のため足柄SAへ入る。
トイレへ向かうとヒッチハイクで旅してそうな人がトイレ前のベンチに座っていた。
旅慣れない新しいザック、ナイロン製の大きな寝袋、スケッチブックが印象的だった。
今までヒッチハイカーを乗せたことがないが、常々チャンスがあれば乗せたいと思っていた。
東日本大震災で帰宅難民を見て、同じ方向に歩いている方に対してバイクのシートは空いているのにヘルメットがなく乗せることができないもどかしさ経験をしてから、いつでも乗せられるよう、以降は日頃から予備のヘルメットを準備してバイクに乗っていたのだ。
東日本大震災の頃から何年も積み重ねてきた地味な努力が報われる。
ついにチャンスが訪れた。
若者に声を掛けた。
福岡から来た大学生で、初めてのヒッチハイク旅行。
明日の夕方までに横浜に着きたいこと、今日はココで泊まることを聞いた。
ちょっと待て。
ココで泊まったら乗せられないじゃないか。
横浜まで乗せたとしても、ぼくは東京に帰るので、
もう一度高速に乗る必要がある。それは面倒だ。
こうなったら自分の欲求を満たすためには、ヒッチハイカーを説得するしか道はない。
旅の目的、旅のポリシー、過去の東京観光経験などを確認し、ひとつずつ問題を解決。
ヒッチハイクでバイクにのる機会が、人生に於いていかに貴重な経験になるか、将来の話題になるかをアツく説く。
間違いなく仕事より熱心だった。
その甲斐あって、ヒッチハイクしていない、かつ目的地に到着しているヒッチハイカーを連れ出すことに成功。
乗せるのは次の海老名サービスエリアまで。まず小さな要求を飲んでもらうのは大事なこと。
防寒対策を取ってもらい、バイクを停めてる場所へ移動。
後ろに乗せ、荷物が安全か確認する。
よし、大丈夫。
ヘルメットを装着。
落下防止&防寒のため、ぼくの革ジャンのポケットに
後部座席から手を入れてもらう。
まるで恋人。
長距離のバイク移動は初めてと聞いたので、
安心を感じてもらうためサービスエリア内のガソリンスタンドまで慎重に移動。
給油中に手応えを確認する。
「駄目なら降りても良いよ」と優しい言葉をかけると
「大丈夫っす、余裕っす」と心強いお返事。
高速道路に突入してから暫くは安全に配慮した運行。
フォーーーーーーーー!!!
ひゃっほーーーーーー!!!
2人で絶叫し、ハイテンションで一体感を味わう。
このテンションの源は、革ジャンのポケット効果だと思っている。
目的地の海老名サービスエリアまでは距離がないので、あっという間に着いてしまった。
ぼくは横浜で降りるのが面倒なので、東京まで付き合ってくれるか聞いてみた。
強引に連れだした手前、強制はできないが答えは「OK」。
ヒッチハイクしてるくらいなので、持ち合わせは多くないはず。
お節介だが、ぼくが電話で安宿の手配をした。本命の宿が満室だったのでnuiにした。
価格はドミトリー(相部屋)で¥2,800。
ゲストハウスを知ることも、大きな助けになると思う。ネットカフェはいつでもドコでも体験できるし、つまらないし。高速を降りてからnuiのある蔵前までは近くなかった。
無事に宿まで送り届けて記念撮影。
一緒に食事でも、とも考えたけど運転があるのでお酒が飲めない。また会える機会を待つとする。
ぼくは16歳の夏休みに初めてヒッチハイクで国内を旅行した。完全に所持金ゼロの無銭旅行だった。ご飯は人のおごり、寝床は何とかするみたいな。
そこで色んな人に恩を受けた。後にその頃の甘えが恥ずかしいと思ったりもした。今回の出来事は、その方々に還元できたかもと考えると嬉しくて仕方がなかった。
楽しみを享受する側から供給する側になってしまったような寂しさもあるけど、ぼくにとって、良い出会いだった。
また、ヘルメットを持ってバイクに乗る日々が続く。